川島ブログ 

コミュニケーション能力に関するブログを書いています。筆者は元引きこもり、ニート、現在はダイレクトコミュニケーションの講師をしている川島達史です。

コミュニケーション能力-講座の軌跡112 会社員編 借金やら お金を払わないやら

コミュニケーション能力-講座の軌跡112  会社員編 借金やら お金を払わないやら

 

 引きこもりから脱出して、私はどうにか就職先をみつけました。配属先は社長の目の前でした。最初はうまくやっていけるか不安で仕方がありませんでした。しかし、経営に関する知識を知っていることから社長に気に入られるようになりました。

 

・会社は平気で借金する

私が会社員時代に驚いたのが、会社という組織は借金をしまくるということです。一般的な感覚でいえば、借金をする=いけないこと という感覚あります。しかし、会社という組織はその辺の感覚がほとんどないのです。

 

 無借金経営≠優良企業

  

 無借金経営=臆病な経営者

 

 

と言い換えても良いかもしれません。借金ができないというのは、極論してしまえば支払利息率以上の収益を上げるアイデアがないとも言えるのです。 

 

進んで借金する必要はないですが、アイデアがあるときは勇気を出して借金をするハートの強さが必要だと教わりました。

 

 

・お金をすぐには払わない

会社同士の取引では基本的にすぐにお金を払わない。これも衝撃でした。買った商品に対して全然お金を払ってくれないのです。日常の感覚と全然違います。

 

ひどい支払い条件になると、お金を払ってくれるのは4か月後という会社もありました。頭おかしいんじゃないかと思いながら仕事をしていました。

 

 

4ヶ月後に払いますよ!信じてね!

だからとりあえず商品頂戴ね!

 

 

という取引が多いのです。一般感覚ですとありえないですよね。でも会社間の取引だと平気で起こるのです。

 

 

んで面白いもので、さすがに4ヶ月も待っていられないこともあったりします。そういった時はその支払ってくれないお金(売掛金)を、別の人に渡してしまうこともできます。

 

ファクタリングという若干あやしい?手法なのですが、すぐ払ってくれないから、とりあえずその権利を別の人に売ってしまうこともできるのです。

 

私が所属していた会社では売掛金をファクタリングすることはなかったのですが、資金繰りが苦しい会社さんでは使用することもあるようです。

 

 

・瞬間お金製造機 手形

社長の仕事を手伝っていて、特に印象に残ったのが「手形」でした。手形というのは、簡単に言うと、書いた金額がそのままお金になってしまうという魔法の紙です。

 

 

例えば

「1000万円」

 

という手形を発行すると、それがそのままお金として機能するのです。これは非常に興味をそそられました。

 

例えば私は社長から手形の作成の権限をもらっていました。しかし何をトチ狂ったのか、謀反を起こして、3000万円という手形を切ったとします。それを、しかるべき機関に持っていきます。少し差し引かれますが現金にすることが可能です。

 

そしてそのお金を持ってフィリピンに高飛びして豪遊!なんてこともできるのです。やろうと思えばものの1時間もあればできてしまいます(もちろんそんなことはしませんが)。

 

ビジネスというのは信用というものの前提で成り立っているのだと肌で感じました。手形の作成を任されていた私は全力で社長に信頼されていたのだと思います。なんでですかね??未だに謎です。

 

 

 

 このように私は入社してから様々な経営学の基礎を学んで行きました。信用がまして来ると、最も神経を使う「資金繰り」を任されるようにもなっていきました。この資金繰りという仕事は非常におっかない仕事でした。

 

 

 

続く

 

 

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡113 会社員編 対人恐怖の回復に必要なもの - 川島ブログ

 

 

 

コミュニケーション能力-講座の軌跡111 似非経営学で突破

コミュニケーション能力-講座の軌跡111 似非経営学で突破

 

 

 引きこもりから脱出して、私はどうにか就職先をみつけました。

 

 

しかし、就職先は語学力、理系スキルが鬼のように高く、地を這うスペックの私はさっそく追い込まれていきました。しかし、会社運営の基礎である経営学を理解している人がいないことが解ったのです。

 

 

・こんなで良いの?と拍子抜け

月次の損益計算書を見て、損益分岐点すぐさま割り出すと、社長はとてもびっくりしていました。

 

 

私は正直、

 

 

なんだ・・・こんなことでびっくりされるのか。

 

 

と拍子抜けしてしまいました。というのも損益分岐点なんて、経営の基本の「き」です。方程式さえ理解していれば中学生でも解けてしまいます。損益分岐点ぐらいでびっくりされるなら、いけるかもしれない・・・私は希望を持ち始めました。

 

 

・経営ツイッターに即レス

社長はツイッターのように、経営に関することをボヤく癖がありました。例えばその会社は毎年、キャンペーン期間に2000万ぐらいのチラシを作成して、全国に配るという営業方針を立てていました。

 

確かに利益は出ていたのですが、なぜか年々チラシによる利益の幅が減っていました。じりじりとチラシの効果が下がっている時に私が入社したのです。

 

 

ある日社長が

 

 「ことしもチラシ刷ろうかな~どうしようかな~」

 

とぼやきました。

 

 

・似非経営学でレスを返す

これに対して私は 

 

 

「チラシですと資産化しない投資になるので、

ネットの方が効率良いかもしれないですよ。」

 

 

と返しました。

 

 

社長は 

「ん?どういうことかね?」

 と聞き返します

 

 

私は

「チラシですと確かに短期的な反響はあるかもしれません。しかし、ほとんどが捨てられてしまうので、持続性が薄いです。

 

ホームページですと、投資しして創った分は、無くなることがありません。チラシは捨てられますが、ホームページは捨てられることがなく、ずっとweb上に残るのです。

 

チラシはゴミ箱行きの宿命ですが、ホームページページにゴミ箱はないのです。永続的な営業が可能となります」

 

  

・似非経営学でレスを返す

当時はITについての理解している社長さんは少ない時代でした。古い営業手法に頼っていた、社長としては「なんだこいつ!おれの知らないことを知っているぞ!」とびっくりしていました。

 

 

それからというもの、社長の経営ツイッター発言に、クルクルクルクル振り返って、則レスするというポジションを確立したのでした。

 

一日5,6回はクルクル回転していました。

 

 

高校生の頃から8年間、経営に関する知識を詰め込んできたことが、ここで活きたのです。 

 

 

・孤独な社長のカウンセリング

 私も実際に自分で起業してみてわかったことですが、経営者は本当に孤独です。孤独の塊と言っても良いと思います。砂をかむような思いをしているとき、解決するしないにかかわらず、そっと悩みを受け止めてくれる人がいるだけでとても嬉しいものです。

 

私は相当的外れな回答も何度かしていたと思います。それでも目の前に話相手がいるというのは、社長にとって嬉しいものだったのだと思います。

 

こうして私は社長の目の前で、似非経営学を駆使した、社長のメンタルヘルス業務というポジションを確立し、どうにか会社の中で必要とされる人材になることができたのです。

 

 

そして社長の目の前という、ある意味で最高に贅沢な環境で、リアルで実践的な経営学を学ぶことになるのです。

 

 

それは既存の価値感を破壊することの連続でした。

 

 

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡112 会社員編 借金やら お金を払わないやら - 川島ブログ

 

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡110 突破口見つかる

コミュニケーション能力-講座の軌跡110 突破口見つかる

 

 

引きこもりから脱出して、就職をした私は、早速追い込まれ始めました。それは就職先の語学力の高さです。英語、中国語がペラペラな方が多く、語学力が低い私は相当浮いていました。

 

さらには精密機械を扱っている会社なので、日本語ですら、ちんぷんかんぷでした。

 

 

例えば、

「センサをプローブに格納し、

 DETECTION モードの感知速度は1秒と

 高速で漏れを判定します」

 

 

こんな感じのやりとりが一日中続いているのです。理解不能な言語をずっと聞いていると、人間結構精神をやられてきます。

 

このまま漫然と仕事をしていると、語学力の無さ、製品の無理解が露呈して、会社的に居場所がなくなることが明白でした。

 

 

麻雀の思考を活用する

このとき役にたったのが、またしても麻雀的な思考でした。麻雀は相対的なゲームです。必ずしも、「王道の手」が正着打にならないケースがあります。

 

例えばAさん、Bさん、Cさんが、「王道の手」を上がりにいくとします。するとAさん、Bさん、Cさんの欲しい牌が同じになるので、同じ牌の取り合いになり、結果的に誰もあがれないという現象がよく起こりるのです。

 

そこで麻雀では、Aさん、Bさん、Cさんが同じ趣向があるときは、別の手を狙いに行くという戦略が有効になることがあります。

 

 

・周りと逆を行く

自分の手が腐ってたら、別の変則手を上がりにいく。これは麻雀でいつも訓練してきたことでした。

 

これを会社に応用すると、

 

語学がみんな強い → だから語学力を高める!

 

では自分の価値を示すことができません。みんなが持っている価値はレッドオーシャンで競争が激しすぎるのです。そこで、入社早々私は語学とは別の価値を示すことができないか?考えるようになりました。

 

 

・他人との違いを模索する

入社1か月ぐらいたつと、有賀さんから会計の仕事も手伝わされるようになっていました。そこでわかったことは、 有賀さんは経理的な仕事が、ちんぷんかんぷん、だったのです。

 

 有賀さんは確かに、英語はペラペラ、中国語も操り、マナーも素晴らしく、いつもミニスカをはいてきてくれる才女です。しかし、なんらかの能力が高いということは、同時になんらかの能力を高める時間を失っているのです。

 

 

社長が後ろの席で、

「今月の損益分岐点、いくらかなあ・・・」

 

とかぼやいていても有賀さんはポカンとしているといいますか、「シカと」していました。それどころか有賀さんだけでなく、社内の誰ひとりとして、社長のつぶやきに反応しません。ただの独り言になってしまうのです。

 

 

社長は経営的な話ができないという状態にありました。

 

 

・突破口が見つかる

 

 (損益分岐点ぐらい誰か答えてやれよ・・・)

 

と感じた私は、思い切って、クルッと後ろを向きました。社長の目の前にいるので、クルッと回転するだけで速攻社長面談となります。

  

「社長・・・3年分の月次損益計算書見せてもらっても良いですか」

 

と言うと社長は

 

「おお・・いいよいいよ・・・」

 

 

と言って新人の私に面白がって見せてくれるのです。

 

損益分岐点ぐらいは、損益計算書を見れば、すぐに出せますので、2分ぐらいで計算しました。すると社長はえらく喜んでくれたのです。

 

 

私は

 

 

ここに活路があり!

 

 

っと直観的に判断しました。

 

 

続く

 

 

 

 

 

**********************

コミュニケーション能力も、1つ尖ったスキルがあると、キャラクターが定まりますし、会社で重宝されることが多いです。例えば、論理力だけは負けないとか、気遣いだけは負けない、相手の長所を見つける力だけは負けない・・・など。

 

もちろん最低限の基礎なコミュニケーション力は社会人として必要になります。

 

ある程度の基礎が固まったら、次の段階としてはどの能力を尖らせるか?考えていくと良いかもしれません。

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コミュニケーション能力-講座の軌跡111 似非経営学で突破 - 川島ブログ

 

 

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私川島達史は元引きこもりニートです。対人恐怖の克服体験、起業について執筆中です。対人恐怖の克服、どうして引きこもりがコミュニケーション講座を創ったのか?興味がある方は是非ご一読ください。

 

・軽度対人恐怖時代    1~32
・引きこもりピークに   33~56
・フリーター時代     57~82
・2年間の会社員時代   83~128
・起業ニート時代     129~187

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コミュニケーション能力-講座の軌跡109 会社員編 ミニスカ療法

コミュニケーション能力-講座の軌跡109 会社員編 ミニスカ療法 

 

・初めての上司は有賀さん

引きこもりから脱出した私は、3年後に独立すると宣言し、環境の会社に就職しました。私の席は、社長の目の前でした。新入社員は社長から最も離れた席に座ると予想していたので度肝を抜かれました。

 

ドラクエに例えると、ひのきのぼうで、バラモスを倒しに行くような感覚です。つい先日までフリータをしていた私からすれば、別世界の環境であり、席につくなりプルプル震えていました。

 

狼狽ていると 私の横に座った有賀さんが、

「私は川島くんの上司になります。よろしくね」

と宣言してきました。

 

 

・外資系 キャリアウーマン

面接から入社初日までの有賀さんの特徴を列挙しますと、

*元外資系の会社に勤務 

*英語・中国語堪能

*ビジネスマナーばっちり

*超絶 気が強い

*声が高く 社内のどこにいてもすぐわかる

*社長にもガンガン主張する

*ミニスカ率高し

 

という特徴がありました。上記のような経歴があると、引きこもり上がりの人間であれば震え上がるところだと思うのですが、社長同様、どういうわけか有賀さんに対してはあまりビビることはありませんでした。

 

 

・ミニスカとメンタルヘルス

 

なぜ有賀さんに対して対人不安を感じなかったのか?

 

ミニスカがうれしかったのかもしれません。

 

有賀さんのミニスカ率は80%でした。私からすればミニスカは有賀さんの前にありました。あくまでミニスカが主であり、有賀さんは従の位置づけになっておりました。ミニスカが来る→そこに有賀さんがいる。という条件づけがされておりました。

 

 

*パス解析をしますと

 

ミニスカ→ 有賀→ 対人不安の抑制

 

という関係性があったのです。

 

 

世界初のミニスカ療法です。

 

 

対人恐怖症にはミニスカが役に立つことが発見されたあのです!!

 

 

*(当クダリは有賀さんに見つかり次第、

  消滅する可能性があります。)

 

 

 

・有賀さんのビジネス教育

初日は上司の有賀さんからいろいろと教わることになりました。FAXの送り方、メールの送り方、請求書の書き方、納品書の書き方、名刺の交換の仕方、お茶の出し方。私は、まるで秘書課に所属しているような気分になりました。

 

有賀さんは礼儀作法に煩く、毎日怒られました。細かい指摘は有賀さんが退社するまでひたすら続きました。社会人マナーを叩き込まれたのです。おかげで私は、秘書スキルが身につきました。

 

 

・語学力がクソ高い

有賀さんは礼儀作法にうるさいだけでなく、語学力がとてもありました。英語がペラペラなだけなく、中国語もペラペラであることが判明したのです。

 

 

というか、その会社、ほとんどの方が英語を話すことができます。さらに社内の半分ぐらいの方は中国語を話せるのです。

 

 

電話を取ると

「ウエイ ニーハオ ネガー・・・」

 

電話を取ると

「ヘロウ デスイズ フクヤマ・・・」

 

という感じで一日中英語、中国語が飛び交っていました。 私のような、片言の英語しか話せない人間は誰もいませんでした。このままでは立場が悪くなることは明白でした。

 

 

・居場所がなくなるという直感

入社初日はそんな形で終了しました。帰りの電車に乗ると、私は危機感でいっぱいになっていました。この会社で語学ができないのは私だけです。このままではいずれ化けの皮が剝がれることは明らかでした。

 

私はどうにか会社での立ち位置を確保するため、能動的に動いていく必要性を本能的に感じ取りました。

 

しばらくの間、追い込まれながら会社での居場所を確保するための突破口を捜しつづけることになります。そして実際、突破口を見つけることになるのです。

 

 

それは

「社長の目の前に座っている」

という最悪の状況を逆に活かしたものでした。

 

 

 

 

*パス解析 

複数の因果関係を統計的にあきらかにしたもの

 

 

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡110 突破口見つかる - 川島ブログ

 

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡108 会社員編 ハードルを上げないで頂きたい

コミュニケーション能力-講座の軌跡108 会社員編 ハードルを上げないで頂きたい

 

  

引きこもりからどうにか脱出し、就職をした私は、出社初日を迎えました。配属先はなんと、社長の目の前でした!

 

 

・PC丸見え

 私の配属先は社長の席の目の前でした。真後ろに1メートルに社長がいるという恐ろしい自体です。私のPCは丸見えであり、私がいまどんな仕事をしているのか丸見えになっているのです。この時点私は、面接のとき、あれだけ誇張して企画書など作ってアピールをしたことを後悔しはじめていました。

 

というのも部長からすれば80倍の倍率を潜り抜けた人材なのだから、それそうおうのものを見せてくれだんだろうな!というような心境なのではないかと感じたからです。その仕事をぶりを絶えず真後ろで監視されるわけです。

 

マジかよ・・・!!

 

 

私はノーガードでヘビー級のボクサーと対戦しなくてはならないような心境になり、面接時に大見得を切ったことを早くも後悔しはじめるのでした。

 

 

・ハードル爆上げ

 その後、社員が全員揃うと、部長の朝礼がはじまりました。

 

「今日から川島くんが出社することになりました。

 面接時に30枚も企画書を創ってきてくれました!

 やる気に満ちています。

 将来は起業も視野に入れているようです

 みんなで頑張っていきましょう。」

 

とさらにハードルをMAXあげていきます。期待されることの恐ろしさを身を持って体験するのでした。

 

 

・研修がはじまる

朝礼が終わると、さっそく上司の有賀さんの研修がはじまりました。この研修そのものはなんとかついて行けたのですが、社内の雰囲気がおかしいことに気が付きます。

 

そのおかしさは、これから「自分の立場がやばくなる」と容易に予想できるおかしさだったのです。

 

 

続く

 

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡109 会社員編 ミニスカ療法 - 川島ブログ

 

 

コミュニケーション能力-講座の軌跡107 会社員編 配属先は社長の目のまえ

コミュニケーション能力-講座の軌跡107 会社員編 配属先は社長の目のまえ

 

引きこもりから脱出し、フリーターを経て、どうにか就職することが決まった私は、人生ではじめて出勤する日を迎えました。しかし、つい最近まで引きこもりをしていた人間です。自分が果たしてやっていけるのか?不安が襲ってきました。

 

 

・会社に突入

会社に到着し、始業10分前になると、面接をしてくださった有賀さんが到着しました。有賀さんは満面の笑みで、

 


「あらー川島君!おはようございます。今日からよろしくね」


と英語なまりの日本語で、ほほ笑んでくれました。私も精一杯の笑顔で

 

「今日からよろしくお願いします」

 

と返事をしました。

 

 

・初めてのデスク

そして有賀さんは、

 

「川島君の席はこちらですよ」

 

と案内してくれました。その席はフロアの奥に連れて行かれました。新入社員は入口に近い席に座るイメージがありました。しかし、なぜか限りなく奥の方の席に連れて行かれたのです。

 

 

私がのデスクはフロアの奥から数えて2つ目。

後方に1席あるだけでした。

 

 

う~ん。

この会社は下っ端は奥に行く会社なのかな?

 

 

この時点では特に気を止めていませんでした。

 

 

デスクに座っていると続々と社員が出社してきます。環境系の会社らしく、まじめ、どちらかというと陰鬱な風貌な方が多く、極めて日本的なメーカーの雰囲気がそこにはありました。

 

乗りの良い若者がたくさんいる職場ではなかったのでほっとしました。

 

 

・部長(実質社長)現る

そうして始業時間直前になると、面接をしてくださった部長(実質的な社長)が会社にきました。部長は豪快に笑って話しかけてくれました。

 

 

「おお~川島君。ついに来たね!今日からよろしくね。」

 

部長は基本的に相手の表情を気にしないといいますか、繊細さのかけらもないような人です。実はコミュニケーションが苦手な人は、コミュニケーションについて深く考えている人と、共鳴反応を示してしまうことがあり、これが意外とやっかいな問題を引き起こしたりします。

 

というのもお互い繊細すぎて気遣いの応酬になってしまうことがあるのです。コミュ症にとっては意外と雑なコミュニケーションをする人は気が楽だったりするのです。

 

部長は鈍感な人だったのでとても楽でした。

 


・配属先は社長の目のまえ

そうして、部長は私に軽く挨拶をしてくれると、

どかっと腰をかけました。

 

その場所はなんと

 

 

「私の真後ろの席」

 

 

だったのです!!

 

・・・・・

 

 

・・・・

 

 

・・・・

 

 

(・・・・まじっすか・・・)

 

 

私はあまりのことにあっけがとられてしまい、ポカンとしてしまいました。

 

 

そうして社長の目のまえの席で2年間仕事をするという、修業期間がはじまったのです。

 

 

 

 

続く

 

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡108 会社員編 ハードルを上げないで頂きたい - 川島ブログ

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡106 会社員編 まともな人間になれたという感覚

コミュニケーション能力-講座の軌跡106 会社員編 まともな人間になれたという感覚

 

 

引きこもりから脱出し、フリーターを経て、どうにか就職することが決まった私は、人生ではじめて出勤する日を迎えました。

 

 

・肯定的な眼差し

スーツを着て髪型を整えて出社準備をする私を見て、特別な言葉をかけてくれたわけではないですが、両親が肯定的な眼差しを投げかけてくれているのがわかります。

 

思えば両親には本当に心配をかけました。会計士試験で多額の学費を負担してもらいました。しかし、結果が出ませんでした。大学卒業後、3階の屋根裏部屋から降りてこないときはどんな気持ちだったのでしょうか。

 

 

スーツを身にまとった姿をみてもらうことで

少しだけ恩返しができた感覚になりました。

 

 

出勤時間になり、

「いってきます」

とつぶやき家を出ます。

 

 

両親が

「いってらっしゃい」

といつもより高い声で見送ってくれました。 

 

 

・当たり前が嬉しい

 

朝7時に起きて

スーツを着て

ビジネズバックを片手に

革靴を履いて

家出る

 

 

この当たり前の行動がとてもうれしかった。いつも別世界のように感じていた人たちになることができたんだ。この当たり前が本当に遠かった。

 

出勤しながら私は「社会に出る」ことの喜びを噛みしめていました。

 

 

・不安感再び

 駅に向かうと、同じ格好をしたサラリーマンが歩いています。コツコツコツと響く音の数がだんだんと増えていきます。社会に出る為の行進曲のように音が大きくなっていきます。

 

冬の空気の厳粛さと重なり、どこか緊張感のある張りつめた空気になっていく感覚がありました。 

 

満員電車に乗ると、ほとんどが正装したサラリーマンとOLで埋め尽くされています。

 

電車にゆられながら、(30分もすれば、会社に到着しているな)と事実確認をします。

 

 

・再び不安感が襲ってくる

ふいに、不安感が襲ってきました。本当に社会でやっていけるのか?コミュニケーションの問題はある程度改善はしたけれど、対人恐怖が完治しているわけではありません。日によっては視線恐怖がぶり返したりもします。

 

面接で見栄を張って入社したことも不安でした。30枚の企画書を作ったエネルギーを持続できるだろうか?自信がありません。

 

社長にがっかりされて、怒鳴られて終わるのではないか。初日スピーチとか要求されたらどうしよう・・・

 

様々なマイナスなシナリオが浮かんできます。会社に一駅、また一駅と近づくにつれ、緊張で体が震えているのがわかります。 

 

会社の前に着くと、逃げたいという衝動が体中を駆け巡ります。だけど逃げられない。観念するしかありません。

 

私は社会という魔窟にいよいよ飛び込むことになります。

 

 

そしてこの会社は経営者としての基礎を固める上で貴重な経験を与えてくれることになるのです。

 

 

 

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