コミュニケーション能力-講座の軌跡52 こだわりを捨てなさい 森田療法
・こだわりは症状を悪化させる
引きこもりとなった私は、さまざまな心理療法を試すようになりました。その中でも日本人が創った森田療法はとても効果がありました。森田療法のテーマは「こだわり」を捨てることにあります。「こだわり」は症状を悪化させるので、こだわりを捨てなさいと諭されるのです。
例えば、赤面恐怖の人は赤面することを恥ずかしいと考え、「赤くなってはいけない!」と症状を抑えこもうとします。私も高校時代まで赤面がありましたので、わざと薄着になったり、冷たい風に当たるようにしていました。
実はこれが症状を悪化させる原因なのです。「赤面を抑えなくては」と感じる時点で症状にこだわってしまっています。「真っ赤になってはいけない」と考える。すると、真っ赤な自分を余計に意識してしまい、余計に赤くなってしまうのです。これは精神交互作用といいます。
・ 過剰な○○はいけない!は逆効果?
精神交互作用は様々な場面で起こります。
例えば
「ケーキを食べてはいけない!」と十回唱えてみるとします。どうでしょう?なんだかケーキを食べたくなりませんか?この文章を読む前よりもケーキのことを意識してしまうでしょう。
「会話で失敗してはいけない」
と過剰に意識すると、逆に失敗する自分をイメージして余計に会話がぎこちなくなってしまいます。
「人前で話すときに緊張してはいけない!」
と過剰に意識すると、逆に失敗する自分をイメージして、余計に緊張しやすくなってしまうのです。
私は必要以上に「視線」「笑顔」に自分がこだわっていることに気が付きました。そして森田はこだわりを適度に捨て去ることで、対人恐怖は軽減できると言うのです。
ではどうすればこだわりが捨てられるのか?
森田は「あるがまま」というキーワードを教えてくれました。
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