コミュニケーション能力-講座の軌跡62 8時間電話をかけ続ける
・カイジ状態
大学卒業後無職となった私は、フリーターになろうと10社近く受けましたが、すべて落ちるという離れ業をかましていました。コミュニケーションに難がある、陰気な人間に対して社会はとても大きな壁となって立ちはだかりました。不採用通知をもらう度に、バイトすら受からないクズ人間と自分を責めました。
(*余談ですが
このころはカイジを読んで自分を投影していました。自分の境遇と重なる部分が多く、人一倍共感しながら読んでいたと思います。ダイコミュの忘年会でも敬愛すべきカイジからインスパイアーされたイベントを開催しています・・・っ!!年末遊びにきてね!)
・11社目でフリーターに
しかし、10社落ちると、落ちること自体に慣れてきて、落ち込む時間が少なくなっていきました。そしてただ漫然と面接を受けるのではなく、姿勢を良くしたり、少しでもはきはきと話す練習を続けていきました。
そしてアルバイトを探し始めて一ヶ月が経過した頃、私はようやく採用の通知を手にすることができました。職種はテレアポのバイトです。場所は最初の面接で落選した新宿センタービルの40階ぐらいにありました。やっと社会が少しだけ認めてくれた気持ちになり、働けるということがとてもうれしかったです。
会社としては誰でも知っているような通信系の会社でした。カード会社の会員向けに保険の営業をする仕事です。時給は1,300円とかなり高く、日給1万円は稼ぐことができそうでした。
・8時間話し続ける
仕事自体はかなりハードでした。最初はきつすぎて何度も辞めそうになっていました。なんせ、見知らぬ相手にいきなり電話をかけて、保険の案内をするわけです。100件かけてガチャ切りされるのが80件、18件は話を聴いてはくれるのですがNG。
成約になるのは1件、最後の1件は「こ○○ぞコラー!」とぶち切れられていました。8時間ぶっ続けで電話をかけ続けるので、終わるころには頭がクラクラしていました。
しかし、結果的には本当に良いリハビリの場所になりました。テレアポの会話は電話越しにするものです。視線恐怖の私でも、それほど苦にすることなく会話をすることができました。
なにより8時間ぶっ続けで話さなくてはならないのです。同じ内容の繰り返しなのですが、かなり発音がよくなったことを覚えています。またテレアポは自分の声を録音して何度も改善していくので、声の印象を良くすることにも役立ちました。
しかし、社会に出ると自分に圧倒的に足りないスキルがあることを痛感しました。それは「会話力」でした。この時期から私は「会話」の構造に興味を覚えるようになっていきます。
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