コミュニケーション能力-講座の軌跡134 迷走編 1ミリの前進
独立をしようと会社員を辞めた私ですが、自信をつけるために、フリーマーケットにチャレンジすることにしました。しかし、初日は対人恐怖心性が覚醒し、直前に逃亡してしまいました。2日目は心理的に持ち直し、どうにかフリマ会場にたどり着きました。
・恐怖を煽る心の声
遠目から見ると、先日は3組だった出店が5店舗ほどに増えていました。心臓が再び震え始めました。
「ほらほら!どうせ恥をかくだけだぞ。さっさと帰ろうぜ。どうせお前には無理なんだよ。このまま進んでいくなんて無理無理!」
恐怖を煽る心の声がまとわりついてきます。
私は深呼吸をしながら
(恐怖とはうまく付き合い、目的に生きる
恐怖とはうまく付き合い、目的に生きる)
と心の中でつぶやきました。恐怖がゼロになるわけではありません。それでも1分ほどたつと、どうにか前に進む気力がわいてきました。
・好奇の眼差し
そうして顔面蒼白になりながらも、どうにか私は会場にたどり着きました。出展者の方々が、自転車に積んだごみのような商品を、好奇の眼差しで眺めているのがわかります。
「・・・・し・・・主催者の方はいますか?
出店登録をしていた川島と申します」
と告げました。すると白いひげを蓄えた50代の男性が現れ
「ああ・・・川島さんですね。お待ちしていました。昨日はどうされたのですか?」
と話しかけてきてくれました。その白いひげの男性の好々さは、どこかカウンセラーのような雰囲気がありました。目じりに笑い皺が深く刻まれていました。おじいちゃんが孫を出迎えるような暖かさを感じ、恐怖が和らぎました。
「風邪をひいていました。すいません。」
と、軽く説明すると、その男性は場所を割り振ってくれました。
・人生ではじめての出店
こうして私は、どうにかこうにか初めて自分のお店を構えることになったのです。
恐怖と付き合い、目的に生きることができた・・・
私は自分の出店スペースにへたり込んでしまいました。不思議な高揚感で体がポカポカと暖かくなっていました。 小さな小さな前進だったけど、どうにか前進した・・・。
1っ歩どころか1ミリしか前進していないことはわかっていました。されど自分にとっては大きな1ミリの前進でした。
そうして人生初めてのビジネス?がスタートしたのです。
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