川島ブログ 

コミュニケーション能力に関するブログを書いています。筆者は元引きこもり、ニート、現在はダイレクトコミュニケーションの講師をしている川島達史です。

コミュニケーション能力-講座の軌跡185 起業ニート編 フランクルの言葉

コミュニケーション能力-講座の軌跡185 起業ニート編 フランクルの言葉

 

引きこもりから起業ニートになった私は、コミュニケーション講座を開講することにしました。しかし、生徒さんが1人も集まらず、資金が枯渇してしまいました。借り入れを起こすため、国の金融機関で面接をしたのですが、門前払いを受けてしまいました。

 

・駐車場でうずくまる

ビルを出ると私は歩く気力がなくなり、フラフラと駐車場の片隅にへたり込んでしまいました。動悸がして、崖から滑落していくような感覚が続いていました。

 

私は路上で絶望しているとき、誰か助けてくれないか?なぜかありえない願望を抱きました。辛い気持ちに寄り添ってくれる誰かが、ふいに現れ、そっと話をきてくれないだろうか・・そんな助けを求める気持ちでいっぱいになっていました

 

しかし、当然誰一人声をかけてくれません。私は孤独でした。全てを抱え込み、私の事業の思いを理解してくれる人はだれもおらず、親しい人から、社会から、NOを突き付けられ、本当につらかった。

 

・美しい秋晴れ

私はしばらく頭を抱え、呼吸を正常に戻すことに専念しました。

 

1時間ぐらい立つと少しだけ平静を取り戻しました。

 

そして・・・

 

不意に私は天を仰ぎました。

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私はあっけにとられました。

 

美しい秋晴れの空がそこにあったのです。

 

なぜか、その空が限りなく美しいのです。

 

秋の高い空が、地球を覆ってくれて、守ってくれている。薄い青色の空に、雲がふわふわと浮いていて、ポカポカと暖かい。

 

私の人生の緊張感とは真逆でした。

 

弛緩し、幸福感に溢れた

世界が頭上には広がっていました。

 

それはデジャブに近い感覚でした。

 

どこかで見た感覚だ・・・

 

と感じました。

 

内省してみると・・・

 

 

デジャブの源泉はフランクルが書いた「夜と霧」にある文章であることを思い出しました。フランクルはユダヤ人として迫害を受け、収容所の中から奇跡的に生還した精神科医です。フランクルはロゴセラピーという心理療法を提唱します。

 

人間はどんなに辛い状況でも、自分の人生を意味あるものにしたいという

「意味への意志」

を持つとする心理療法です。例えばフランクルは絶望的な収容所の中で以下のような出来事があったといいます。

 

***************

「また収容所で、作業中にだれかが、そばで苦役にあえいでいる仲間に、たまたま目にしたすばらしい情景に注意をうながすこともあった。・・・・わたしたちは、暗く燃えあがる雲におおわれた西の空をながめ、地平線いっぱいに、鉄色から血のように輝く赤まで、この世のものとも思えない色合いでたえずさまざまに幻想的な形を変えていく雲をながめた。その下には、それとは対照的に、収容所の殺伐とした灰色の棟の群れとぬかるんだ点呼場が広がり、水たまりは燃えるような天空を映していた。わたしたちは数分間、言葉もなく心を奪われていたが、だれかが言った。

「世界はどうしてこんなに美しいんだ!」

*****************

V・Eフランクル 夜と霧 池田香代子訳、みすず書房より

  

・ポカポカと暖かい

絶望的な収容所の中でさえ、人は自分の人生を幸福なものとして意味を見出す心の動きがあったのです。私はフランクルの意味への意志を少しだけ理解した気がしました。

 

空をまじまじと眺めるなんて15年ぶりだったかもしれません。いや人生ではじめてだったかもしれません。空をみればこんなにも美しい景色が広がっていたなんて・・・不思議な気持ちになっていました。私はしばらくその秋晴れを眺めぼうっとたたずんでいました。 孤独だけどそれとは無関係にこの世の中は美しいなと感じました。

 

その美しさの真下でポカポカと暖かい日にあたっていると、自分のどうしようもない状況を太陽が暖かく励まされているような感覚になってきました。

 

・意味への意志  

人は、心底辛い状況の中でも、絶望することなく、人生を意味のあるものにしようと、「意味への意志」を模索するのだと、美しい秋空を見ながら感じていました。

 

何度も何度もくじけそうになったけど、それでも人間は自然と自分の意志を持って意味のあるものにしようともがくのだと感じました。

 

私は辛い状況にいる生徒さんでも、意味への意志をしっかり汲み取れる講座を作りたいと考えていました。きっとどんなにつらい状況の中でも本人は生きる意志を育てようとしているはずだ。それを探して受け止めて、健全に育てていけるような講座にしたい。

 

生徒さんが一人もいない状況の中でのおかしな話ですが、そんなことをぼうっと考えていました。

 

 

・いくばくかの気力をとりもどす

3時間ぐらい駐車場にいたでしょうか。

完全に不審人物だったと思います。

 

 

私はいくばくかの気力を取り戻し、

自宅に帰宅しました。

 

 

あたりは暗くなっていて、

あの美しい秋晴れの空から

また暗い夜がやってきていました。

 

 

私はいつもの屋根裏部屋に戻ると

消費者金融を最終的に選択すると腹を決め、

PC 画面をひらいたのです。

 

 

そして、その日に、

人生を変える奇跡

が起こっていたことに気が付かされるのです。

それは我が目を疑う出来事でした。 

 

 

 

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