コミュニケーション能力-講座の軌跡190 あがり症編
元引きこもりの私は、25歳の頃に400万円を貯め、コミュニケーション講座を開催することにしました。1年近く生徒さんが集まらず、資金が枯渇してしまいましたが、土俵際で生徒さんからの応募をもらったのです。
しかし、試練は続きます。直前になると、プレッシャーから私は対人恐怖を再発してしまったのです。
・応募が増える度にプレッシャーが増す
コミュニケーション講座が1週間前になると、生徒さんの応募は6人まで増えていました。応募数が増えることはとても嬉しかったのですが、同時にプレッシャーも増えていきます。
ああ・・・応募があった・・・助かった・・・
応募してくれた生徒さんありがとう・・・
VS
兄1人に講義をするだけでも緊張するのに・・・
これ以上増えたら、気絶してしまう・・・
もう嫌だ・・・逃げたい・・・
嬉しい感情と、逃げたくなる感情が心の中で相撲を始めるのでした。
そして日程が近づくにつれ、逃げたい感情が押し切る形で私の心の中は埋め尽くされていきました。
私は、このまま講義することは不可能であると、認めざるをえない状況になってしまいました。どうイメージしても、緊張で固まり、講義が崩壊することは明らかでした。
多分このまま講義をしても、生徒さんは全員辞めてしまうだろうと直感していました。
しかし、しかし、しかし・・・
それでも講義をやめることは絶対にできません。
多分ここで逃げてしまったら、もう自分は自分を一生信じられなくなると感じていました。
行動療法ではスモールステップの精神を大事にしています。まずは気絶することからはじめよう・・・などと、自虐的に自分を慰めていました。
・「事前お茶会」を思いつく
私はどうにか、講義前に緊張を解くことができないかを考えました。熟考した結果、「事前お茶会」が良いのではないかと考えました。
いきなり講義に入ると緊張してしまうので、先にお茶会をすることで少しでもアイスブレイクをしようと考えたのです。これは妙案であると感じていました。
緊張がほぐれることはもちろん、生徒さん自身も仲良くなるかもしれないですし、コミュニティもできるかもしれない。
そうだ!お茶会をすれば、少しは緊張が解けるだろう!
私はいくばくかの希望の種を見つけました。そしてお茶会の場所を探すと、ちょうど吉祥寺の会場の近くに、こじんまりとした喫茶店があることがわかりました。
・初めてのお茶会メール
私はお茶会、開催の旨を生徒さんにメールをしました。
「皆さんこんにちは。いよいよ今週から講義がはじまりますね。初回は緊張しがちだと思いますので、講座前にお茶会をすることにしました。もしよろしければこちらに1時間前にいらっしゃってください。」
こんな内容だったと思います。
(誰よりも緊張しているのは僕だ!)
と心の中で自分に突っ込みを入れました。
メールをするとすぐに
「お茶会参加します!」
と返信をくれる生徒さんがいました。
結果的に、4名の生徒さんが参加してくれる旨をくださいました。私は、いきなり講義に入らなくてよいということから、わずかばかりほっとしました。
そしてついにその日がやってきてしまいました。
この講師デビューの日、私は一生忘れられない、
強烈な失敗をしてしまいます。
そしてその失敗から多くを学ぶことになります。
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