コミュニケーション能力-講座の軌跡71 虚勢をはる
・劣等感が強くなる
引きこもりから脱出した私は、テレアポと喫茶店のアルバイトをはじめることにしました。喫茶店の時給は850円。8時間働いてやっと7,000円です。フリーターが過酷な状況にあることを肌で感じ取りました。
喫茶店のアルバイトは学生が8割です。フリーターは2割ぐらいで少数派でした。新宿という場所柄も手伝ってか、社交的でおしゃれな男女ばかりでした。自分のような無職になった日陰者とは違うのだ。劣等感を強く感じました。
・地獄の朝の試飲会
もっとも苦痛だったのが朝の試飲会です。オープン前に皆で珈琲の味をチェックするのです。試飲といっても味は毎回同じ。結局は試飲会と称した4,5人での雑談になるのです。
試飲会という雑談の場では
大学はどこ?
何歳なの?
就職どうする?
という触れられたくない話題ばかりが飛び交います。私は話しかけられるのが嫌で、「話しかけるな!」オーラを全力で飛ばし、質問をされることを防御することに精一杯でした。
・虚勢をはる
しかし、話しかけるなオーラを精一杯出しても、社交的な彼らは果敢に質問をしてくるのです。私はとてもではないですが
「大学卒業後、無職になってしまい、リハビリとして働いている」
と素直な自己開示ができませんでした。特に女子大生に対しては必要以上に虚勢を張っていました。余計なプライドがまだどこかあったのです。「嫌われたくない」「馬鹿にされたくない」と思うがゆえに、自分をよく見せようと取り繕わなければならないのです。
「会社を作るために就職しなかった。今はお金を貯めている」
そう答えていました。しかしどう見ても会社を作るようなバイタリティーのある人間には見えていなかったと思います。キョドリながらいうその発言に対して、彼れは異様な雰囲気を察知して、「それはすごいですね」と教科書通りの回答をして、それ以上の追及は酷だと判断し、追及の手を緩めるのでした
・嘘をつくたび辛くなる
確かに私は会社を作るために貯金をはじめていました。月のお給料は手取で22万円ぐらいだったと思います。そのお金を毘沙門天に生活費として献上するでもなく、本代と食事代以外は毎月15万円ぐらいを貯金に当てていました。
しかし、どう考えても私は会社をつくる以前の問題を抱えていました。すなわち、会社を創ると言っても所詮は98%嘘なのです。(どうせ会社なんてできるわけない)(そんな実力があるわけない)私は心の奥底ではそう感じていました。
そうした嘘をつくたび、その嘘に絡み取られ、その嘘が自分を苦しめていきました。「取り繕う」ということに疲れてくると段々と喫茶店で働くことが嫌になってたのです。
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