・ジンメルと自由
前回はジンメルという学者について軽く触れました。ジンメルは「社会」と「人間」の関係から、「自由」とは何か?「孤独」とは何か?を考えた学者です。
引きこもりで孤独感を強く抱えていた私は、ジンメルの考え方を学ぶことで、自分の置かれている状況が分かるようになっていきました。ジンメルの主張で心に残ったのが、「個性は集団に属するほど輝き自由になる」という考えでした。
今回はその続きです。
・個性は集団の中で輝く
ジンメルは100~130年前ぐらいの社会学者です。100年前といえば、大正7年ですね。電話もまともに普及していないような時代に、人間関係のあり方について考えてたのです。
ジンメルの主張で強く刺さったのが「個性は集団に属するほど輝き自由になる」というものです。この考えは引きこもりの私にとって、大きな意味を持ちました。
なぜ個性は集団に属するほど自由になるのか?当時の私は疑問に感じました。
集団に属する=無個性
そんなイメージがあったからです。
・個性と集団の関係
しかし、ジンメルは、個性が発揮されるには、集団の中に属さななくてはならないと主張します。例えば、イチローがなぜイチローとして個性的な成績を残して活躍できるのか?それは言うまでもなく、野球というカテゴリに所属し、MLBという土壌に所属しているからにほかなりません。
皆さん自身で考えてみてください。皆さんの個性が輝いた場面で見ると、必ずそこには誰かがいたはずなのです。個性を全くの孤独な状況で発揮することは極めて難しいです。個性を発揮するには何らかのカテゴリーに所属する必要があるのです。
・自由と所属する集団の関係
さらにジンメルは、「所属する集団がたくさんあるほど自由を獲得できる」と続けます。
例えば、私は引きこもりであったとき、極めて人間関係が少なかったため、何をするにも活動が制限されていました。集団でする活動、キャンプとか、サッカーとかはもちろん、2人1組でする将棋だってできませんでした。人間関係のコネもなかったので、就職活動も極めて不利な状況でした。
しかし、例えば現在ですと、ダイコミュの生徒さんがたくさんいるので、様々な場所にみんなで出かけることができますし、集団でしかできない活動もたくさんできるようになりました。
集団A
しか所属していない人と
集団A 集団B 集団C 集団D 集団E
に所属している人とでは活動の自由度は全然変わってきてしまうのです。
続きます