川島ブログ 

コミュニケーション能力に関するブログを書いています。筆者は元引きこもり、ニート、現在はダイレクトコミュニケーションの講師をしている川島達史です。

コミュニケーション能力-講座の軌跡106 会社員編 まともな人間になれたという感覚

コミュニケーション能力-講座の軌跡106 会社員編 まともな人間になれたという感覚

 

 

引きこもりから脱出し、フリーターを経て、どうにか就職することが決まった私は、人生ではじめて出勤する日を迎えました。

 

 

・肯定的な眼差し

スーツを着て髪型を整えて出社準備をする私を見て、特別な言葉をかけてくれたわけではないですが、両親が肯定的な眼差しを投げかけてくれているのがわかります。

 

思えば両親には本当に心配をかけました。会計士試験で多額の学費を負担してもらいました。しかし、結果が出ませんでした。大学卒業後、3階の屋根裏部屋から降りてこないときはどんな気持ちだったのでしょうか。

 

 

スーツを身にまとった姿をみてもらうことで

少しだけ恩返しができた感覚になりました。

 

 

出勤時間になり、

「いってきます」

とつぶやき家を出ます。

 

 

両親が

「いってらっしゃい」

といつもより高い声で見送ってくれました。 

 

 

・当たり前が嬉しい

 

朝7時に起きて

スーツを着て

ビジネズバックを片手に

革靴を履いて

家出る

 

 

この当たり前の行動がとてもうれしかった。いつも別世界のように感じていた人たちになることができたんだ。この当たり前が本当に遠かった。

 

出勤しながら私は「社会に出る」ことの喜びを噛みしめていました。

 

 

・不安感再び

 駅に向かうと、同じ格好をしたサラリーマンが歩いています。コツコツコツと響く音の数がだんだんと増えていきます。社会に出る為の行進曲のように音が大きくなっていきます。

 

冬の空気の厳粛さと重なり、どこか緊張感のある張りつめた空気になっていく感覚がありました。 

 

満員電車に乗ると、ほとんどが正装したサラリーマンとOLで埋め尽くされています。

 

電車にゆられながら、(30分もすれば、会社に到着しているな)と事実確認をします。

 

 

・再び不安感が襲ってくる

ふいに、不安感が襲ってきました。本当に社会でやっていけるのか?コミュニケーションの問題はある程度改善はしたけれど、対人恐怖が完治しているわけではありません。日によっては視線恐怖がぶり返したりもします。

 

面接で見栄を張って入社したことも不安でした。30枚の企画書を作ったエネルギーを持続できるだろうか?自信がありません。

 

社長にがっかりされて、怒鳴られて終わるのではないか。初日スピーチとか要求されたらどうしよう・・・

 

様々なマイナスなシナリオが浮かんできます。会社に一駅、また一駅と近づくにつれ、緊張で体が震えているのがわかります。 

 

会社の前に着くと、逃げたいという衝動が体中を駆け巡ります。だけど逃げられない。観念するしかありません。

 

私は社会という魔窟にいよいよ飛び込むことになります。

 

 

そしてこの会社は経営者としての基礎を固める上で貴重な経験を与えてくれることになるのです。

 

 

 

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