コミュニケーション能力-講座の軌跡124 会社員編 粘り強さの勝利
コミュニケーション能力-講座の軌跡124 会社員編 粘り強さの勝利
引きこもりから脱出し、就職することができた私は、サラリーマン生活を送っていました。当時私には会計士を目指している彼女がいました。そして合格発表の日を迎えたのです。
彼女の番号は1055番でした。 インターネットの画面にかじりつき、緊張しながら、番号を追っていきました。
1045
1048
1050
1055
・価値観がひっくり返る
私はこの数字を見た瞬間、体中が痺れる感覚がありました。この感覚はある種の自己否定でした。それまでの私は「努力しても夢が叶うことはない」という感覚がありました。
頑張った会計士試験は落ちてしまった
野球に打ち込んでも結果が出なかった
大学受験も中途半端で結果が出なかった
対人恐怖になってしまい、大学では友達ができなかった
当たり前の青春をすることができなかった
・彼女への投影
私は彼女にも、夢は叶わないという世界観を投影していました。ダメなものはダメ・・無意識レベルでは合格するわけがない・・・と考えていたのです。
私の負け犬根性はそれほど体の奥底までしみ込んでいたのです。きっと結果が出ることはない・・・と言葉にせずとも、信じてしまっていました。
しかし、彼女は合格という、疑いようのない事実によって私の価値観を全否定したのです。「頑張ることで結果が出ることがある」。私の無意識に、彼女は新しい価値観を植え付けてくれたのです。
・一時の安心感
実際に彼女に会ってみると、嬉しさより安堵の気持ちの方が大きかったと思います。喜びを爆発させるというより、ホっとした表情でした。彼女らしい態度でした。
合格が決まってからは以前よりも会う回数が増えました。いままで行けなかった場所にも出かけるようになっていきました。お互い大変な時期を過ごした人間ですが、この時期だけは安心感のある時期を過ごすことができました。
・焦り
ただ色々な場所に出かけつつも、私の中には煮え切らない感覚がありました。彼女の苦労が報われ、一緒に喜んでいる自分がいる一方で、ドロドロとした感情が蠢いていることがわかりました。
私にとって彼女は恋人であると同時に、自分との比較対象でした。合格し、輝ける未来が約束された彼女と比較して、「このままでいいのか?」という疑問が出始めたのです。
「彼女は戦って結果を出した。だけどお前はなんだ?戦ってないよな。」
こんな心の声が聞こえてきたのです。彼女は人生を賭けて一つの結果を出した。しかし、私はどこか戦っていない。戦ってもないから負けてもない。勝負すらできていない。
・8年、有言不実行
彼女は私の中でとても大きな尺度になっていました。スタートラインは同じだったわけです。彼女は合格という夢を叶えた。しかし、私は独立するという、実体の無い空言によって自らを誤魔化し続けていました。いまだノラリクラリと時間を浪費していたのです。
私はもう24歳になっていました。最初に独立をしたいと考えて勉強をし始めてから、8年が過ぎていました。彼女の有言実行さに比べ、自分の嘘つき具合に段々と嫌気が刺してきたのです。
自分と戦って、結果を出した彼女
戦ってもいない自分
努力しても夢はかなわないという思い込みに自動操縦され、行動していない自分。その感情は段々と、大きくなっていきました。そして次第に戦っていない自分への怒りと発展していきました。
そして、24歳の秋頃、私は人生における重要な決断を下すことになります。そしてその決断により、ある意味で引きこもっていた時よりも先の見えない、どん底を体験することになるのです。
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