コミュニケーション能力コラム 44 ゆっくり話す人-集団の会話
前回のブログで「集団のコミュニケーション」で、ゆっくり話す人は孤立しやすい傾向があると解説しました。今回はその続きです。
そもそも「ゆっくりタイプ」とはどれぐらいのスピードなのでしょうか。1分間に話す文字数を基準にしてみると良いでしょう。
~250 かなりゆっくり
250~320 ややゆっくり
320~360 ふつう
360~430 やや早口
430~550 かなり早口
550以上 ディベート大会クラス
気になる方はブログ下部に 診断テストを記載しておいたので参考にしてみてください。
・250文字以下はゆっくりタイプ
1分間に話す文字数が250文字以下の方はおっとりした印象を持たれると思います。安心感があって落ち着いた印象を持たれる傾向にあります。
一方で、集団の会話では主導権を握られがちなので、早口な人に対して劣等感を持ってしまったり、孤独感を持ちやすいと言えます。
・早口になる練習は空振りしやすい
この点、ゆっくりタイプが、早口になるのは、実際はかなり難しいです。話す速度は、身長に近いものがあって、話す速度も、幼少期からある程度基本的な速度が出来上がってしまうと私は考えています。
滑舌の練習は効果が上がりやすいですが、スピードを速める練習は、空振りしやすいのです。あまりお勧めできません。そこで、ゆったり話すことを前提としていくつか対策を提案したいと思います。
・基礎を固める
まずは発話の基礎練習が大事になります。食事や住所の話題など、雑談でよく出てくる話題はある程度は準備をしておくと良いでしょう。特にその場で考えると、だれかが間に入ってきてしまいます。まずは基礎を固め、1つの質問に対して1分以上は話せるように練習しましょう。この辺は講座でしっかりやっているので、何度も練習すれば改善できるます。
・半手を挙げる
話したいと思った時に半手を挙げてみましょう。雑談の時に全力で手を挙げるのは、さすがにびっくりされてしまいますが、半手であればそこまで違和感はありません。胸の手前あたりに手を挙げて話すと、早口な方も待ってくれることが多くなります。非言語で発言権をカバーするわりとおすすめなやり方です。
・ブロックを創る
8人ぐらいの飲み会ですと、大体2ブロックぐらいに分けられることが多くなります。3~4人の会話に持ち込んでしまいましょう。疲れているときは隣の方に話しかけるなど、集団の会話ではなく1対1の会話に持ち込んでしまうのもありです。隣に座っている方がゆったり話す方であればなおさらチャンスですね♪
・相槌をうちまくる!
孤立しているな~とおもったらとりあえず相槌をどんどんうちましょう。なるほど~ へえ~ マジっすか!など相槌は考えなくてもできるので、そこまで話す速度に影響されません。とりあえず、首をふっておけば、参加している風にはなると思います。ぶっちゃけちゃんと聞いてなくても良いと思います笑(おいおい)
・質問はしない!
自分の話す番になると、逃げたくなってしまって、誰かに質問をしたくなるものです。しかし、ここで誰かに質問をしてしまうと、また早口な方が主導権を握ってしまいます。もし自分に質問が来た時などは、質問をしないで、少し粘って話してみましょう。
・落ち込まない
色々と努力しても、早口な方に話題を取られっぱなしで終わることもあると思います。そんなときは、間違っても自分の性格のせいにしないでください。会話は相互の問題なのです。話せなかった原因の半分は相手の責任でもあります。あくまで話すスピードの相性が悪かっただけですので、自分のパーソナリティの否定に走らないようにしましょう。
・ゆっくりタイプのコミュニティを捜す
自分が話しやすいコミュニティや飲み会を捜すの者一つの手です。どうやっても疲れ果ててしまうのであれば、自分の相性の良いコミュニティを捜すのも手ですね。もちろん毎回変更する癖をつけるのはよくないですが、どうしてもつらい場合は変更してみるのも良いと思います。
・そこにいるだけで価値がある
会話というものは不思議なもので、そこに人が座っているだけでも結構役立っていることがあります。よく話す3人、あまり話さない1人、そんな飲み会になってしまったとしても、話さない1人は、カレーの福神漬のごとく、彩の一つとして重要な役目を負っていることが多いです。会話には参加できなくても、意外と役立っているのかも・・・と相対的にみるようにしましょう。
まとめ
ゆったり話す人は相手からすると、安心感があって、リラックスできます。会話の休憩地点になりやすく、その意味でとても魅力的だと言えます。
もちろん、基本的な努力として、ある程度は話題の作り方や話し方は練習したほうが良いです。社会に出るということはある意味で、自分をプレゼンするという場でもあります。学生時代と違い、自分で切り開いていかなくてはなりません。
しかし、相性の問題でどうしても孤立することはあると思います。そんなときは、まあ今日は早口な人が多かったな~、とりあえずそこに入れただけでもよかったかな。と考えてみるといいと思います。
次回はこの逆で、「早口な人と集団のコミュニケーション」をテーマにコラムを書きます!!
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早口診断1分チャレンジ!
太宰治 人間失格より
*ストップウオッチを用意して1分間でどこまで話せるか試してみましょう♪
*******************スタート
人間の笑いと、どこやら違う。血の重さ、とでも言おうか、生命いのちの渋さ、とでも言おうか、そのような充実感は少しも無く、それこそ、鳥のようではなく、羽毛のように軽く、ただ白紙一枚、そうして、笑っている。つまり、一から十まで造り物の感じなのである。キザと言っても足りない。軽薄と言っても足りない。ニヤケと言っても足りない。おしゃれと言っても、もちろん足りない。しかも、よく見ていると、やはりこの美貌の学生にも、どこか怪談じみた気味悪いものが感ぜられて来るのである。私はこれまで、こんな不思議な美貌の青年を見た事が、いちども無かった。
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もう一葉の写真は、最も奇怪なものである。まるでもう、としの頃がわからない。頭はいくぶん白髪のようである。それが、ひどく汚い部屋(部屋の壁が三箇所ほど崩れ落ちているのが、その写真にハッキリ写っている)の片隅で、小さい火鉢に両手をかざし、こんどは笑っていない。
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どんな表情も無い。謂わば、坐って火鉢に両手をかざしながら、自然に死んでいるような、まことにいまわしい、不吉なにおいのする写真であった。奇怪なのは、それだけでない。その写真には、わりに顔が大きく写っていたので、私は、つくづくその顔の構造を調べる事が出来たのであるが、額は平凡、額の皺も平凡、眉も平凡、眼も平凡、鼻も口も顎あごも、ああ、この顔には表情が無いばかりか、印象さえ無い。特徴が無いのだ。
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