夏とトラウマ
夏とトラウマ
私は中学時代、野球部に所属していました。練習をしっかりやる部活でした。週6ぐらいで毎日夜遅くまで練習していました。
んで・・・夏休みの練習は特に地獄です。
なぜなら、夏真っ盛りの炎天下の中、外野ノックをひたすら受けることになるからです。この外野ノック「アメリカンノック」と言って、ライトからレフトにダッシュをしながらノックを受けるというものでした。
野球をやったことがある方ならわかるかもしれません、普通ライトにいたら、ライトに球がとんできますよね。
しかし、アメリカンノックは、なぜかライトにいるのにレフトにノックをするのです。それをライトからダッシュで取りに行かなくてはならないという、理不尽なノックだったのです。
全くもってどこにアメリカの要素があるのか??
当時、中学生の私には皆目見当もつかなかったのですが、とにかく私は夏の間中このアメリカンノックの餌食となっていました。いまだに夏が来ると、あのノックの感覚が体中をかけめぐるのです。
野球部の服装はなぜか夏でも厚着です。ケガ防止で分厚い靴下を2枚履きます。私の中学時代の野球グラウンドは、ペンペン草一枚生えない、硬い砂でできていまして、ほぼ硬い干ばつ地帯のような状況でした。
その干ばつ地帯を分厚い靴下で、かつ野球部特有の全く柔軟性のない、硬いスパイクで疾走しなくてはならないのです。
当時の東京はまだ排ガス規制がなく、光化学スモッグで空気が非常に悪く、酸素が1/2になったかのような錯覚を受けるような感覚がありました。マジで空気が薄かったです。
さらにノック中監督から褒められることはなく、罵倒されながら、その罵倒に耐える精神力が試されます
なぜか「水を飲むと余計疲れる」という、謎ルールも萬栄していました。休み時間に水をがぶ飲みしようものなら先輩に、「水飲んでんじゃねーぞ!」というインドの修行僧も真っ青なありがたい説法をくらうのでありました。
・35℃で厚着
・ほぼ砂漠
・光化学スモッグ
・水(あんまり)飲んじゃいけないルール
・意味不明なノック
・監督からの罵倒
という修行を1時間ぐらい繰り返していたおかげで、私は「アメリカン〇〇」というネーミングのものがひたすら怖くなってしまったのでありました。
例えば、アメリカンドックは味は好きなのですが、ノックを思い出しながら食べるので、おいしさが半減してしまうのです。コーヒーのアメリカンなんて、怖くてしょうがありません。
そういえば、今監督をしていたI先生は風のうわさで教頭先生をしているそうです。今でもI先生は、アメリカンノックを続けて、若い脳に、「アメリカン〇〇恐怖」を植え付けているのでしょうか。
そんなことが気になる今日この頃でした。
*当ブログは愛情を込めて書いております
25年前ぐらいはわりと普通でした
I先生への苦情はご遠慮ください笑