コミュニケーション能力コラム 48 変わる→受け入れる①
最近本棚で探し物をしているときに
「借り物の自分を変える」
というタイトル(少し変えました)の本がふと目に止まりました。10年以上前に購入した本です。
このタイトルを見たとき、(借り物と考えるのはあんまりよくないな~)心の中でつぶやいている自分がいました。
講師業も12年目になりましたが、若い時に比べて
「変わる」
という言葉をあまり使わなくなったと自分で感じています。
講座を始めた当初は、
「自分を変えるために努力しましょう」
「誰でもトレーニングで変われる」
こんなフレーズをよく使っていました。しかし、最近はたまに使う程度になっています。
これはアイデンティティ確立についての論文を読み込んだことがきっかけになっていると思います。アイデンティティ確立とは自分とは何者かという問いに答えられる状態です。
アイデンティティの確立はメンタルヘルスと相関があります。確立しているほど心理的健康度や充実感が高いことがわかっています。
ではアイデンティティの確立とは何なのか?
いくつか、重要な指標があるのですが、その中の1つに
「連続性」
という重要な因子があります。
連続性とは
「過去の自分とつながっている」
という感覚です。過去の自分とつながっているとは言い換えると
・過去の自分を受け入れている
・過去の自分を肯定できる
・過去の自分があるから今の自分がいる
という感覚です。この感覚があればあるほどアイデンティティは確立されていくことになるのです。
「借り物の自分を変える」
というのはこの連続性を断つような表現なので、すごく違和感があるのです。
続きます