コミュニケーション能力-講座の軌跡123 会社員編 合格発表
コミュニケーション能力-講座の軌跡123 会社員編 合格発表
引きこもりから脱出し、就職することができた私は、サラリーマン生活を送っていました。当時私には4年付き合っている彼女がいました。彼女は会計士受験4年目に突入していました。そしていよいよ試験を受ける日になったのです。
・会計士試験の難しさ
私の記憶が正しければ当時の会計士試験は1万2千人ぐらいが受験していました。まずは短答式というセンターのような試験があります。どの受験生も早稲田・慶応・国立大学の受験性ばかりです。私と彼女のような日大クラスの受験生は10%もいなかったと思います。
ここでいきなり75%近く、9000人が落とされます。勉強慣れている高学歴の方でもガンガン落とされてしまうのです。彼女も緊張しながら試験に臨みました。
彼女は短答式に見事合格しました。最後の25%に残ったのです。これだけでも充分すごいことでした。しかし、会計士試験は次が本番となります。さらに論文式試験という最終関門に合格しなくてはならないのです。論文式試験の合格率は30%でした。
・人生を賭けた人達
ただの30%ではありません。直前期の専門学校では朝7時から自習室で勉強するための列ができます。そして帰るのは夜の9時。
会社員を辞め、排水の陣で挑んでいる人
6年間資格浪人をしている人
テレビ、漫画、恋愛・・・すべてを捨てている人
そんな人たちばかりの30%に生き残らなくてはならないのです。
2か月を過ごした後、最後の砦である論文式試験の受験を終えました。本当に大変だったと思います。
・落ちていたらなんて声をかけるか
3日の試験が終わった後、久しぶりに彼女に会いました。高校生が期末試験が終わったような開放感ではなく、燃え尽きた・・・といった雰囲気がありました。全てを出し切った人は遊ぼうなんて気にはなれないのかもしれません。
「どうだった?」と聞くと
「う~んわからない・・・」
彼女は控えめに答えました
わからないか・・・出来はイマイチだったのかな。難しい試験だもんな・・・・私はそう感じました。 彼女は 1055番(記憶が定かではないですが)という受検番号を教えてくれました。
合格が発表されるまでの期間、私は
合格していたら・・・
なんて考えることはできませんでした。 私は自分で言うのもなんですが、「負け癖」が骨の髄まで条件付けされている人間でした。世の中はうまく行かない・・・という事を想像することばかりが得意でした。彼女にもその世界観を投影していました。
落ちていたら・・・
なんて声をかけよう・・・
そんなことばかり考えていました。彼女の合格の可能性は1割もないだろう。そんな気持ちになっていました。
・番号を捜す
当日、インターネットにかじりついて彼女の合格番号を捜しました。合格の番号を見ると、飛び飛びになっていることがわかります。
1021
1025
1030
・・・
・・・
番号、飛び飛びだなあ・・・
当たり前だけど落ちる人の方が多いな・・・たった4桁の数字の裏に、涙と、歓喜が入り混じっているんだろうな・・・
そう感じながら、番号を追っていきました。
1045
1048
1050
・・・
彼女の番号が目前まで迫ってきました。
邪念が多い私ですが、この時ばかりは
体中の神経が次の番号に集中していました。
次のコラム
コミュニケーション能力-講座の軌跡124 会社員編 粘り強さの勝利 - 川島ブログ