コミュニケーション能力-講座の軌跡101 就職活動編19 ずっと部長のターン
コミュニケーション能力-講座の軌跡101 就職活動編19 ずっと部長のターン
引きこもりから脱出した私は、是が非でも入社したい!と感じる会社を見つけました。面接はなんとか1次を突破し、2次面接に進むことになりました。2次面接は社長面接です。緊張しながら門を叩きました。
・お約束のようにどもる
「ほ・・ほ・・ホ・・・ホ・・・ほんじつ2次面接に参りました川島達史」
心臓をバクバクさせながら宣言しました。バクバクと連動するように、声が詰まります。最初の言葉が連続することを連声型の吃音と言います。またどもってしまった・・・と軽く落ち込んでいると、私の落ち込みとは、対照的に面接担当の女性が、真っ白な歯を見せて、満面の笑顔で出迎えてくれました。
女性というのはとても不思議な生き物です。私のようなうだつのあがらない男でも、満面の笑みで迎えてくれます。この笑顔は多分に感情労働的要素が内包されていることは容易に予想できますが、それでもその笑顔の1%は真実であると期待をしてしまいます。
「もしかしたら私は歓迎されているのかしれない・・・」と薄い期待を抱くのでした。
・部長に脳内で謝罪
面接会場に案内され、1分程度会話をすると、部長が登場しました。部長と言えば、女性面接官との不倫現場を、勝手に妄想し、罵倒してしまった人物です。私は脳内で罵倒したことを、
「部長。腐してしまってごめんね」
と心の中で軽く謝罪をしました。
部長は私から脳内で謝罪されているとも知らず、アブドーラ・ザ・ブッチャー のような大きなお尻を、ソファーに腰を掛けました。ソファーは、ずっしりと10センチぐらいへこみました。
ブッチャー
「今日は来てくれてありがとう。今のところ3人ほど2次面接に来てもらっているんだ。川島君は企画書持ってきてくれたり、変わっているところがあるから、もう一度話してみたいと考えたんだよ。」
川島
「・・・あ、ありがとうございます。3名ですか、頑張らないといけないですね。」
ブッチャー
「それぞれ全然タイプが違うので、もう一度しっかり話したいんだよね。採用は1名だけらからね。ちなみに、川島君は生まれはどこなのかな・・・」
川島
「生まれは鳥取で、育ちは東京です。母親が教師をしていたので、夏休みに1か月ぐらい帰ることもあったので、鳥取にとても愛着があります。」
ブッチャー
「そうかあ。私は新潟生まれなんだ。地元は農家でね。米を毎年夏に送ってくるんだよ。今年は自分で脱穀したよ。」
・・・・以後ずっとブッチャーのターン
*画像引用 GAORAスポーツ様
・部長!もういいんじゃないっすか
こんな会話が30分ぐらい続きました。とにかくこの部長は本当におしゃべりです。面接と言えば、普通は採用すべき人物の情報を根掘りはぼり聞くものですが、とにかく喋り捲るのです。
とにかく、隠しごとができないようで、会社の現在の売り上げから、節税方法、純利益、今後の展開等話しまくるのです。傾聴力ゼロ、発話力100で押しまくるタイプです。
30分ぐらい話を聞いているとさすがに表情筋がいうことを聞いてくれなくなってきます。面接用の作り笑顔が限界点を迎えはじめ、カウントダウン寸前になってしまいました。
(部長・・・もうギブっす)
と心の中で降参しますと、そんな終了のゴングが心の中が部長に届いたのか
部長
「そろそろ社長とも話してみますか。社長呼んできてもらっていいかな?」
女性
「はい。了解です。」
女性はソファーから腰を上げると、別の部屋にいる社長を呼びにいきました。小さな声で
「・・・・(社長~面接よろしくお願いします)」
・どうか地味な社長であってほしい
と聞こえました。いったん部長との面接で緊張がほぐれていたのが、再び体が硬くなっていく感覚がありました。心臓が再び脈を打ち始めました。
私がこのとき最も恐れていたのが、浅黒くゴルフやけをして、やけに押しが強く、 金と女の匂いがする、ヒルズ族っぽい社長が登場することでした。私の中のルサンチマンが反応してしまうと、体がさらに硬直化して、面接どころではなくなってしまうからです。
私はこの会社の、ミーハー感ゼロ、メーカー感100の会社から、
(そんな押しの強い、ギラギラした社長は登場しないはずだ!どうか、誠実に環境と向き合っている、地味な社長であってほしい!)
と心の中で祈っていました。そうして3分すると、社長が登場しました。
続く
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