川島ブログ 

コミュニケーション能力に関するブログを書いています。筆者は元引きこもり、ニート、現在はダイレクトコミュニケーションの講師をしている川島達史です。

コミュニケーション能力-講座の軌跡173 起業ニート編   ドメイン サーバーという呪文

コミュニケーション能力-講座の軌跡173 起業ニート編  ドメイン サーバーという呪文

 

引きこもりから起業ニートになった私は、ダイレクトコミュニケーションを設立し、コミュニケーション講座を開講することにしました。しかし、お客様が1人も集まらない、彼女に愛想をつかされる、借金を背負いそうになる等々、いわゆる「起業失敗あるある」に見事にハマりこんでしまいました。

 

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 あまりにも失敗が続くので精神的にボコボコになって動けなくなりました・・・

 

その後、心理療法を駆使して、考え方を見直しました。彼女と別れて、寂しいという気持ちはあるが、前向きに仕事に集中できる環境がそろった・・・と自分を勇気づけました。そして重い腰を上げる気力をどうにか取り戻したのです。

 

・彼女がいないという生活

しかし、成人男子にとって女性のかわいらしい声を聴かない生活というのは、ごはんを食べれないぐらい苦しいものです。そこで私は脳内に「深田恭子・森高千里BAR」を創ることにしました。

 

寂しい時はいつでもそのBARに行って、悩みを打ち明けます。すると深田恭子と森高千里が最後は、「たっちゃん・・・いつでも応援してるわ・・・」と肯定的ストロークをくれるのです。このBARは無料で、何度来店しても嫌がられることはありません。コストパフォーマンスが最高でした。「深田恭子・森高千里BAR」には心理療法なみの効果があることは言うまでもありませんでした。

 

・広告を再考

そんな妄想で現実逃避しながら、私は再び「広告」の研究を始めました。特にライバル会社の研究に重点を置きました。研究をしてみると、他の会社は、

雑誌媒体  ・・・40%
路上看板  ・・・30%
ホームページ・・・20%
その他   ・・・10%

という配分で集客をしていることが大体わかってきました。資金力のない私は、雑誌媒体、路上看板で勝負をする余裕はありません。そうして最終的に残った選択肢がホームページを作成するということでした。

 

ホームページであれば、50万円しかない資金でもギリギリ作成ができそうです。さらに言えば、他の会社のホームページはかなり怪しいものばかりで、私ならもっと面白いページを企画できそうな気がしたのです。 

 

・見たこともない用語

しかし、当時の私はWEBに関する基礎知識が欠落していました。ちょっと調べてみても

 

サーバー

ドメイン

HTML

FTP

JAVA

 

という見たこともないような別世界の暗号が並んでいます。知識がないのでパッとみて、なんか強そうな呪文だな!ぐらいしか思いませんでした。

私はあくまでも対人コミュニケーションを主体として事業を行うわけです。これらの勉強をするのは非効率と考えました。そこで私は、残り少ない資金でホームページを作成してくれる業者さんがいないか?必死で探すことにしたのです。 

 

・業者を探す

私が作成したいページは当初、10ページほどでした。何社かに見積もりを出したところ、高い所ですと200万円という香ばしい見積もりもらいました。高いわ!と思い、別のサイトを捜すと50万円ぐらいの業者が見つかりました。

 

でも200万と50万って全然違うわけです。同じページを作るのにこんなに差があるなんてどう考えてもおかしい・・・WEB業界についてますますわからなくなってきました。

 

そこで私は、もしかしたらもっと安く作成してくれる業者がいるんじゃないかと考え、昼夜を問わず探しつつけたのです。

 

そして、3日ほど探し続けると、

「7万円でホームページを作成します!」

という業者を見つけたのです。私はこれだ!と思い、さっそく問い合わせることにしました。

 

しかし、この7万円の業者のホームページ作成にはある落とし穴があって、虎の子の資金を秒速で失うことになるのです。

 

 

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡174 起業ニート編 7万円業者の罠 - 川島ブログ

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡172 起業ニート編  破滅思考を直す

コミュニケーション能力-講座の軌跡172 起業ニート編  破滅思考を直す

 

引きこもりから起業ニートになった私は、ダイレクトコミュニケーションを設立し、コミュニケーション講座を開講することにしました。しかし、お客様が1人も集まらない、彼女に別れを告げられるわ、散々な状況になりました。そこで私は講義用の教科書を使いながら自分自身で心理療法を試すことにしました。

 

・破滅思考

例えば、認知療法では、「破滅思考」という思考のゆがみを扱います。破滅思考とは現実以上に悲観的なシナリオを作り、破滅だ!と考えてしまう思考の歪みです。

 

心が折れているとき人間は破滅的な考えに支配されます。
 一生彼女が出来ないのではないか
 社会復帰もできないのではないか
 多額の借金を背負うのではないか
 ・・・そんな気分になってしまいました。認知療法では、このような破滅的な考えを冷静に考え直していくのです。

 

・考え方を修正する

確かに私には、彼女に振られ、生徒さんが1人もこないという現実がありました。しかし、問題の大半は広告なのです。1つクリアできれば、うまく回り始めるかもしれません。

恋愛についても、そもそも1度は女性に好かれたのです。これはこれで自信にしても良いのかもしれない。これから先、どこかに私のことを好きになってくれる人が現れるかもしれないのです。このように破滅思考を前向きに考え直していきました。

 

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・挫折への免疫

破滅思考に一定の結論が出ると、白黒思考、完全主義、選択的知覚という思考のゆがみも1つ1つ丁寧に修正をしていきました。

心理療法を久しぶりに実践すると、思ったよりも早く回復しているという実感がありました。講座でお伝えする内容がとても役に立つと自分自身で最終確認することができまたのです。
 

もちろん落ち込む具合が100ぐらいだったのが、せいぜい75ぐらいに回復したぐらいでした。つらい状況には変わりないですが、1か月程度で、一歩踏み出そうという気力がわいてきたのです。

 

・広告との戦いへ

そうして私は、最大の問題である「広告」についてもう一度突破口がないか、吟味することにしました。この時残り資金は50万円を切っていました。借金生活へのタイムリミットは確実に迫っていました。

「広告」・・・

「広告」・・・

「広告」・・・

それからの4か月はひたすら、広告の研究に没頭することになります。そして諦めずにもがき続けることの重要性を体感することになるのです。

 

 

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡173 起業ニート編 ドメイン サーバーという呪文 - 川島ブログ

 

 

コミュニケーション能力-講座の軌跡171 起業ニート編  問答法でソクラテスに敗北

コミュニケーション能力-講座の軌跡171 起業ニート編  問答法でソクラテスに敗北

 

引きこもりから起業ニートになった私は、ダイレクトコミュニケーションを設立しました。しかし、広告の壁にぶつかり、お客様が1人も集まらないという日々が続きました。挙句の果てに5年間付き合った彼女に別れを告げられてしまったのです。

  

・過去の勉強を思い出す

まどろみのなかで部屋を景色のように眺めていると、今まで勉強してきた心理療法や哲学の本が沢山あることに気が付きました。そういえば私は、一度これらの本に救われたのでした。どうにもならない引きこもりから、フリーターになり、会社員になったのでした。今もつらいですが、当時も相当つらかったはずでした。

 

もう一度原点に返り、哲学と心理療法を試してみようかな・・・私は無気力の渦の中にわずかながらの気力の種を見つけ、本棚からソクラテスの本を出しました。ソクラテスの本は何度も読んだので棒線だらけになっていました。以前の記憶がよみがえってきました。

 

ソクラテスは「問答法」で有名な哲学者です。問答法とは、とにかく質問を繰り返して、本質を探していく手法です。

 

・ソクラテスと話し合う

私は、引きこもりの時によくやった問答法を3年ぶりぐらいにやってみることにしました。

 

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「起業をして、講義も作ったけど、広告手段がありません。貯金ももうないです。彼女にも愛想をつかされてしまいました。」

 

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「広告手段がないってどうしていえるんだね?」

 

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「いや・・・電車の広告は資金的に不可能です。新聞チラシも資金がありません。ホームページもお金がかかります。自分でチラシを配っても誰も引き合いをくれません。」

 

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「君なりに頑張ってきたようだね。ただ、それだけのことで、なぜ広告手段がない。と言い切れるんだ?何か証拠はあるのかね?」

 

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「いや・・・証拠はないです・・・。でも色々調べたんです。それでもだめでした。」

 

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「色々調べたってどれぐらい調べたんだ?」

 

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「2か月ほどです。」

 

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「2か月で調べて切ったと言っていいのかね?そう言い切っていい根拠はあるのかね」

 

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「いや・・・確かに・・・ないです・・・」

  

 

・ソクラテスは励ましてくれる

ソクラテスと問答法をすると必ず敗北します。しかし、同時に励まされた感じがしました。こんな問答を繰り返しても何一つ経営的な問題が解決したわけではありません。

 

しかし、ソクラテスに敗北すると、私はチャンスが完全に潰えたと言い切れなくなりました。哲学はどん底の時に本当に人生を励ましてくれると感じました。

 

こうして哲学に励まされると、私は依然と同じように心理療法を改めて実践してみました。認知行動療法、森田療法、絵画療法、交流分析、問題解決療法・・・1週間ほど取り組んだと思います。

 

そしてそのセルフカウンセリングの中で、私はポジティブな発見をすることになります。それは改めて心理療法の重要性に気がついたということでした。

 

 

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡170 起業ニート編  大底に到達する

コミュニケーション能力-講座の軌跡170 起業ニート編  大底に到達する

 

引きこもりから起業ニートになった私は、ダイレクトコミュニケーションを設立しました。カリキュラムを作成し、毎日模擬講義をして準備を重ねました。しかし、広告の壁にぶつかり、お客様が1人も集まらないという日々が続きました。挙句の果てに5年間付き合った彼女に別れを告げられてしまったのです。

 

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・3階に引きこもる

彼女と別れ、私は一切の気力を失ってしまいました。絶望感を通り越して、現実感がありませんでした。自分が自分ではない感覚です。夢もかなわない、いつもそばにいた人がいない、そんなことが信じられないという感覚でした。私は身体的にも、精神的にも脱力しきってしまい、再び屋根裏部屋(大学4年に引きこもった話)に引きこもることになります。

 

・ふて寝

現実感なく、3階のベットで過ごしていました。1円も売上がない・・・借金生活になりそう・・・挙句の果てに彼女にも見捨てられた・・・職歴もボロボロ・・・

 

現実は厳しいです。クリアが約束されているゲームとは違います。ハッピーエンドの映画とも違います。チャレンジしてきたことがことごとく失敗に終わるともはや現実感がありません。

 

いま人生終わってもいいかな・・・

 

目が覚めても、どうしようもない一日がただ不毛に始まるだけです。今後の絶望的な人生を予測すると、もう目が覚めなくてもいいと思いました。

 

 

・わずかばかりの回復

時間感覚なく、長時間寝ていたと思います。

 

途中何度か起きましたが、起きていても何一ついいことはありません。目が覚めると、すぐに寝ようとしました。しかし、さすがにこれを繰り返していると寝れなくなります。

 

心臓に手をやると生きようとしていて、活動せよと、しっかり動いているんですよね。心は別にもう活動を停止してもいいと思っているのに、心臓は抵抗するようにバクバク鼓動しているのです。不思議でした。

 

2週間経つと、少しだけショックが和らいでいる感覚がありました。私にとって屋根裏部屋は引きこもりの原点となる場所で、修行のような場所であると共に、安全地帯でもありました。困ったときはこの部屋でずっと過ごしてきました。無意識にこの部屋で回復しようとしていたのかもしれません。

 

・大底に到達

失恋と事業の致命的な問題はあまりにも苦しいものでした。しかし、実はこの時こそ人生の大底だったのです。

 

4ヶ月後にわが目を疑う奇跡が起こります。この苦しみの渦の中にまさかそんな未来が待っているなんて・・・このときは全く予想していませんでした。

 

 

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡171 起業ニート編 問答法でソクラテスに敗北 - 川島ブログ

 

 

 

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私川島達史は元引きこもりニートです。対人恐怖の克服体験、起業について執筆中です。対人恐怖の克服、どうして引きこもりがコミュニケーション講座を創ったのか?興味がある方は是非ご一読ください。

 

・軽度対人恐怖時代    1~32
・引きこもりピークに   33~56
・フリーター時代     57~82
・2年間の会社員時代   83~128
・起業ニート時代     129~187

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コミュニケーション能力-講座の軌跡169 起業ニート編  別れたいの・・・

コミュニケーション能力-講座の軌跡169 起業ニート編  別れたいの・・・

引きこもりから起業ニートになった私は、ダイレクトコミュニケーションを設立しました。カリキュラムを作成し、毎日模擬講義をして準備を重ねました。しかし、広告の壁にぶつかり、1人もお客様が集まらないという日々が続きました。そんなある日、5年付き合っている彼女から久しぶりに電話がかかってきました。そして彼女は電話口で泣き始めたのです。

 

・彼女の決断

彼女の様子から、ただ事ではないことがわかりました。

「どうしたの・・・?」

私は心配になり、質問を繰り返しました。彼女はなかなか話そうとしません。私は背中に冷たいものを感じました。いくら言葉を投げかけても彼女はなくばかりです。会話にならない時間が続きました。

 

数十分経ったでしょうか・・・ 

 

彼女は絞り出すように

「別れたいの・・・」

と私に宣告たのです。

 

私はあっけにとられてしまいました。まさかまさか彼女が別れたいと考えているなんて微塵も考えていなかったのです。

 

・嘘でしょ

ひきこもってどうしようもなかった時、彼女は家まで様子を見に来て、励ましてくれました。私が会社を辞めても粘り強く付き合ってくれていました。どんなに大変な時期でも、ついてきてくれたのです。苦しい時にもそばにいてくれたことで、私は彼女を心底信頼しきっていました。彼女がそんな気持ちを持っていたなんて信じられませんでした。

 

「嘘でしょ?・・・いや・・・ありえない・・・どうして・・・」

 

私は現実感なく告げました。そのあと私は、彼女にどうして別れたいか?理由を聞き続けました。しかし、彼女は泣きじゃくるだけで、その理由をこたえようとしません。おそらく彼女なりにたくさん理由があったと思うのですが、私を傷つけないように精いっぱい、かばってくれたのだと思います。

 

1時間近く電話口で彼女は泣き続けました。

話し合いにならないので、

「と・・・とにかく、っちょっと待ってくれ・・・」


と告げて電話を切ってしまいました。すぐに別れを受け入れることはできなかったのです。

 

 

・時すでに遅し

電話を切った後、私は腰を抜かして床にへたり込んでしまいました。放心状態になってしまい、体の芯がなくなってしまった感覚がありました。彼女とは戦友のようなものでした。勉強ができない私に、我慢すること、勉強することの楽しさを教えてくれました。粘り強く勉強を続け会計士に合格した彼女を人間としても信頼していました。

 

しかし、私はあまりも、彼女に対して何も喜びを提供していいなかったのです。客観的には、どう考えても釣り合いが取れている状態ではなかったのです。別れたいと言われることでやっとやっと気が付いたのです。しかし、時すでに遅しでした。

 

彼女の意志は堅く、その後何度か説得を試みたのですが、最終的に別れることになってしまいました。

 

・無気力な生活に戻る

私の中で、いつか成功して、苦労を掛けた分、彼女にお返ししたいという気持ちがありました。少なからずそれは大きなモチベーションになっていました。もし仕事がうまく言ったとしても、報告する相手がいないのです。

 

私は起業への意欲が減退し、荒んだ生活に戻ってしまいました。広告は手詰まり、借金目前、彼女にも振られ、起業プランを理解してくれる人もいなければ、応援してくれる人もいない状況になってしまいました。

 

コミュンケーション講座を開こうとしてる人間が、矛盾するように孤独と向き合うハメとなり、どこまでも続く底なし沼にはまり込んでいく感覚がありました。心のよりどころを失った私は、毎日続けていた講義の練習も辞めてしまい、心と体に力が入らなくなってしまいました。

 

 

さすがにもう限界だ・・・

私ははっきりとそう感じたのです。

 

 

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡168 起業ニート編  あのね・・・あのね・・・

コミュニケーション能力-講座の軌跡168 起業ニート編  あのね・・・あのね・・・

引きこもりから起業ニートになった私は、ダイレクトコミュニケーションを設立しました。カリキュラムを作成し、毎日模擬講義をして準備を重ねました。しかし、広告の壁にぶつかり、1人もお客様が集まらないという日々が続きました。そんなある日、5年付き合っている彼女から久しぶりに電話がかかってきました。

 

 ・彼女との関係

彼女との関係を整理しますと、出会ったのは大学1年の頃でした。クラスメイトの彼女に、勇気を出して声をかけ付き合い始めました(出会った頃の話はこちら)。その後、私と彼女は一緒に会計士を目指しました。彼女は粘り強く勉強を続け、4年間の受験勉強の末、見事に合格しました。

 

・将来性皆無の彼氏

方や私は、私は会計士試験を離脱してしまった中途半端な男でした。さらにはせっかく就職してしまった会社も途中辞めてしまいました。会社を辞めた口実は「コミュニケーション講座を創る」です。会計畑の彼女からすれば、コミュニケーション講座なんて、雲を掴むようなわけのわからない話です。

 

さらに私は、彼女へのプレゼンテーションを98%サボっており、どういう気持ちでこの事業を立ち上げ、どういう将来性があるのか?全く説明していませんでした。結果も出ていないのに、ベラベラと自分の考えをいう気になれなかったのです。

 

ただ、貯金がどんどん減っていることを、毎回会うたびに伝えていました。何をやっているのかわからないのにお金だけは減っている彼氏でした。デートは基本ワリカンで、気の利いたお店なんていったことはありません。せいぜいお金のかからない公園や町中をブラブラして、1000円もかからないようなご飯を食べて終わりというものでした。

 

それでも楽しい会話でもできれば、救いがあるのですが、会った時は念仏のように愚痴を唱え続け、私より稼いでいる彼女に対して、妬みのようなものもぽろぽろと吐露していたのです。

 

・妙な自信が蓄積

しかし、しかし、このどうしようもない状況でも、彼女は僥倖とも言える粘り強さを発揮します。私に対する愚痴もなく、付き合い続けてくれたのです。そして、この粘り強さがあだとなり、私は「この女はどんな状況でも俺から離れない。」等という極めて、自分勝手で非現実的な甘えた妄想を抱くことになるのです。ダメな状況であれば、あるほど、その状況にひたすら耐える彼女への信頼はますます拡大して行きました。

 

後で分かったことですが、この彼女との関係性は「共依存関係」に近いものがありました。すなわち、ダメな男をそのまま受け入れてしまうことで、余計にその男をダメにしてしまういう関係でした。

 

 

・不穏な流れ

話は戻ります。そんな状況で彼女から電話がかかってきました。起業をしてからは月に1回程度合うぐらいだったの久しぶりに声をききました。

 

私が

「おう・・・どうしたの?」

 というと、

 

彼女は

「もしもし・・・」

と暗い声で返してきました。」

 

なんか元気ないな。と感じた私は

「なんかあった?」

私は能天気に彼女に質問しました。

 

すると彼女はしばらく無言になっていました。

 「・・・・、・・・・」

 

沈黙は続きます。

どうも様子がおかしいです。

 

 

そして、

「あのね・・あのね・・・」

彼女は電話口で突然、泣き始めたのです。

 

 

 

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コミュニケーション能力-講座の軌跡167 起業ニート編  十方ふさがり

コミュニケーション能力-講座の軌跡167 起業ニート編  十方ふさがり

 引きこもりから起業ニートになった私は、ダイレクトコミュニケーションを設立しました。カリキュラムを作成し、毎日模擬講義をして準備を重ね、いよいよ最大の問題である広告について考える段階に入ったのです。しかし、資金の壁があり、スタイリッシュな広告を打つことができませんでした。そこで私は、「チラシを配る」という昭和ロマン戦略を実行することにしたのです。

 

私は半日近くかけ、やっとのことで500部を配り終えました。人の目を避けつつポスティングを繰り返したのでどっと疲れました。ただ・・・引き合いがあるのか・・・自信がありませんでした。

 

・携帯の画面をじっと見つめる

そうは言っても500部です。決して少ない数とは言えません。私はいつでも電話に出ることができるように着信音量をMAXにしました。「冷やかしでもいいからせめて1件だけでも引き合いがありますように・・・」と念じながら画面を見つめました。

 

しかし、当日は1度も電話が鳴りませんでした。まあ初日だから・・・と自分を慰めます。

 

2日目を迎えました。初日は考えるはずだから、2日目が勝負と考えていました。再び私は携帯電話を半径50センチ以内に置き、待ち構えました。

 

しかし、2日目も結果は同じでした。

 

3日目、4日目も携帯電話がなることはありませんでした。薄々予想していたこととは言え、ただただ時を刻む携帯の画面が悲しく映りました。

 

・追加,500部

静かになった部屋の中で、冷静になり、再び現状を確認します。追い込まれつつも私には「コミュニケーションで悩む人がいる」という確信のようなものは持っていました。絶対に社会には講座に来てくれる人がいると頭のどこかで信じていました。

 

私はあきらめてはいけない!と自分を奮い立たせました。合計1000部配ってなんの引き合いもなければさすがにこのやり方は間違っていると言い切ることができます。再び別のエリアに500部のチラシを配りました。

 

しかし、結果は残酷でした。追加の500部に対しても、ただの一度も電話がなることはありませんでした。ビジネスというのは恐ろしい世界です。「頑張った」から結果が出る世界ではないのです。「頑張る」だけでは、条件が足りなくて、正しく頑張る」必要があるのです。

 

私にはその「正しさ」がなんなのか?まったく見当がつかなくなっていました。頑張る気持ちはありました。講義資料もたくさん作りました。たくさん勉強して、論拠を揃えました。それでも、誰かにそれを伝える手段がないのです。頑張ろうという気力があっても、どこに向かって頑張ればいいのかわからないのです。

 

・時計の音が気に障る

この頃から私は、時計の針の音が嫌に耳につくようになっていました。カチ・・カチ・・カチ・・という音が、タイムリミットを告げる音に聞こえてしまうのです。時計の音を聞きながら私は落ち込み続けました。苛立った私は自分の部屋から、時計を階段に移してしまい、音が聞こえないようにしました。無音の空間で再び頭を抱えました。

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・もうだめかも・・・

 

銀行口座の残高は50万円ぐらいになっていました。2年間、必死でためた400万円があっという間になくなりそうになっていました。私は使われることのない講義資料を眺めて、悲しい気持ちでいっぱいになっていました。

 

 広告について完全に行き詰まっていた状況で・・・・

 

プルルルル・・・

 

鳴らない携帯電話が久しぶりになりました。 まさか!!!??お客様??そう一瞬喜び、画面を見てみました。

 

それは5年付き合っている彼女からの着信でした。心の中にがっかりと、喜びが交錯します。現状を鑑みれば、こんな状況で楽しく会話ができるわけがありません。私は彼女からの着信をスルーしてしまいました。

 

しかし、数十分後、再び彼女からの着信がありました。何かあったのかな・・・?私は電話に出るのも億劫ながら、どうにか通話ボタンを押しました。

 

その後の電話で私は彼女からある宣告を受けることになります。そして、その宣告は弱り切った私の心に渾身の一撃を加えることになるのです。 

 

 

 

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